【OTC類似薬の保険適用見直しへ】~日常の受診に影響は?医療財政とどう向き合うか~

こんにちは。仙台で医療や福祉の現場を支える社労士・薬剤師として、日々のニュースを少しやさしく、ちょっと深く解説しているHOLOS社労士&行政書士Laboです。

今回は、「OTC類似薬(市販薬と似た医療用医薬品)」の保険適用見直しが「骨太の方針」に盛り込まれる見通し、というニュースを取り上げます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f4825ab25896a34b4e1b0a493a86eaeb39733cfc


■ OTC類似薬ってなに?

OTC類似薬とは、「OTC=Over The Counter」、つまりドラッグストアなどで処方箋なしに購入できる市販薬と、有効成分や効能がほとんど同じ医療用医薬品のことです。

市販薬と同じような効果があるにも関わらず、処方箋が必要で、保険適用で1〜3割負担ですむため、薬局ではなく病院で「保険で安くもらう」というケースが増えがちでした。


■ 何が問題?なぜ見直されるの?

処方のためだけに医療機関を受診する「軽症・軽微な受診」が増えると、医療機関の現場も疲弊し、保険財政にも影響します。

実際、受診のきっかけが「いつもの薬がほしいから」「風邪気味でとりあえず…」という軽症対応の場合、医療現場では時間が取られ、重症者への対応が遅れたり、医療費が無駄に膨らむ懸念が指摘されてきました。


■ どう変わる?今後の流れ

6月13日閣議決定予定の「骨太の方針」にこの見直しが盛り込まれ、年末にかけて厚生労働省の部会などで、具体的な品目を検討し、早ければ2026年度にも見直しが始まる可能性があります。


■ 医療現場・労務管理にも影響

例えば、クリニックでの対応件数が減る可能性がある一方、「健康維持や予防」の必要性がさらに高まります。

ベースアップ評価料や処遇改善加算の文脈でも、職員の健康づくりや無駄のない受診指導、情報提供が評価につながる流れは見逃せません。薬局や医療機関にとっても「単なる調剤」ではない関わり方が求められそうです。


■ 社労士・薬剤師としてのコメント

薬剤師としては、OTC薬の適正な利用を促すチャンスとも言えます。必要のない処方での受診を避け、市販薬で十分対応できる場合はその選択を支援するのもプロの役割です。

また社労士の立場からは、医療機関・介護事業者における「健康経営」「無駄のない制度運用」の推進がより重要になります。スタッフの健康管理支援や、患者様・利用者様に対するわかりやすい説明も、今後の評価軸の一つとなるでしょう。


「医療・薬局・介護と言えばHOLOS(ホロス)社労士&行政書士Labo」と言っていただけるよう、これからも現場に寄り添った情報を発信していきます。

気になる制度改正があるときには、ぜひお気軽にご相談ください。

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