「弱さ」を見せる強さが心を救う――武尊選手の告白に学ぶ、医療・福祉現場での“メンタルケア”の重要性

こんにちは。仙台・宮城県を中心に活動するHOLOS(ホロス)社労士&行政書士Laboの代表、「おくすり社労士」こと薬剤師・社労士の石田むねきです。

今回は、元K-1三階級王者・武尊選手の告白記事を読み、医療・介護・福祉の現場に通じる大切なメッセージを感じたので、私なりの視点で共有させていただきます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1d52d52bdd0731605aebeac0d48c789dd4f17d3b?page=1


■ 「那須川天心に勝っていたら言えなかった」──敗北から得た“強さ”

2022年の世紀の一戦で、那須川天心選手に敗れた武尊選手。試合後、長年抱えていたうつ病やパニック障害を初めて公表しました。

「負けたらすべてが終わる」と信じていた彼にとって、敗北は恐怖だったはずです。しかしその敗北の瞬間、会場から聞こえたのは「ありがとう」の声援でした。

それが、彼にとっての“価値観の転換点”だったと語っています。


■ 心と身体のケア──太陽の光、環境の力

武尊選手は、自身のメンタルコントロール方法として、「太陽の光を浴びること」の大切さを紹介しています。アメリカでの合宿では、1ヶ月太陽を浴びながら過ごすことで症状が出なくなったといいます。

これは、**セロトニン(幸福ホルモン)**の分泌を促進するという意味で、非常に理にかなっています。


■ SNSの誹謗中傷とどう向き合うか?

武尊選手は、エゴサーチをやめて、「自分のままでいい、自分を好きな人だけに囲まれていればいい」という考え方に変わってから、心がとても楽になったそうです。

これは、医療・介護・薬局現場でも必要なマインドです。職場での人間関係や、SNSでの評価、患者様や利用者様からのクレーム……。そうした外部からのプレッシャーに心を壊してしまう職員も少なくありません。


■ 「完璧じゃなくていい」――医療・福祉職にこそ響く言葉

武尊選手は、「完璧主義の人ほど、精神疾患になりやすい」とも語っています。実際、私が関わる医療機関やクリニック、薬局でも、まじめで責任感の強い方ほど、バーンアウト(燃え尽き症候群)や不調を訴えることが多いです。

そして、ベースアップ評価料処遇改善加算といった制度の導入・運用のなかで評価制度により「成果を見える化しよう」という方向性の中で、スタッフに無意識の負担をかけてしまっていることもあります。

加算の要件を満たすための業務管理や評価制度の導入はもちろん大切ですが、数字だけを追いかけるのではなく、職員一人ひとりの“心の声”を聴く仕組みづくりも、それと同じくらい重要です。


■ 「HOLOS(ホロス)」の役割としてできること

私たちHOLOS社労士&行政書士Laboは、単なる書類作成や制度対応にとどまらず、医療・介護・薬局現場における働きやすい職場づくりを本気で応援しています。

  • メンタル不調を早期に察知できる評価面談設計
  • 誹謗中傷対策も含めたSNSポリシー策定
  • 精神疾患を抱えたスタッフへの支援体制の整備
  • ベースアップ評価料や処遇改善加算を“人づくり”と両立させる運用設計

こうしたサポートを通じて、ただ「制度を使う」だけでなく、「制度を通じて人が守られる」職場づくりを目指しています。


■ 最後に──あなたの“弱さ”は、誰かの希望になるかもしれない

格闘家・武尊選手の言葉の中で、特に心に残ったのがこの一節です。

「人間はロボットじゃない。完璧じゃなくていい」

医療・介護・薬局の現場で働く皆さんも「ミスが怖い」「患者さんに健康被害があったらどうしよう」というプレッシャーを日々感じながら仕事をされていることでしょう。

私自身、薬剤師として臨床にいたころ、ミスを許せず自分を追い詰めた経験があります。社労士として労務相談を受ける今も、「真面目すぎる人ほど傷つきやすい」と日々感じています。

誰かに話すこと。陽の光を浴びること。自分を許すこと。

それは小さな一歩かもしれません。でも、その一歩が、これからの人生を守る大きな“転機”になるかもしれません。


医療・薬局・介護の職場での労務管理や制度設計、メンタルヘルス対応のご相談は、仙台・宮城の「HOLOS(ホロス)社労士&行政書士Labo」まで。

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