三重県立総合医療センターで診療報酬の不正請求が発覚|患者や保険者への返還額は6億円に

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三重県四日市市にある三重県立総合医療センターが、保険適用外の腹腔鏡手術を開腹手術と偽って診療報酬を不正に請求していた問題が明らかになりました。この不正請求は産婦人科の手術に限らず、リハビリテーションでも同様の保険適用外の請求が発覚し、総額で少なくとも6億円の返還が必要となる見通しです。

不正請求の詳細

この問題は、三重県立総合医療センターが腹腔鏡手術を開腹手術と装い、診療報酬を不正に請求したことに始まりました。令和3年1月に発覚し、平成26年度以降で112件の不正請求が確認されています。さらに、東海北陸厚生局による監査の結果、リハビリテーションでも保険適用の条件を満たさない計画書の不作成などで約20万件の不正請求が行われていたことが新たに判明しました。

返還額と影響

この不正請求により、患者や保険者に対して返還する総額は6億円に上ると見られており、手術関連で1~2億円、リハビリテーション関連で4~5億円の返還が見込まれています。返還対象となる患者は数千人規模になる可能性が高いとされています。

問題の背景と指摘

監査結果では、センター全体として診療報酬算定ルールへの理解が不十分であったことが指摘されています。特に、医師と事務方の連携不足や、研修の不備が問題の背景として挙げられています。これに対して、センターは再発防止策として院内にチームを立ち上げ、診療報酬に関する知識や制度理解の強化を図るとしています。

社労士・薬剤師の立場から見た重要性

このような問題が発生する背景には、医療機関内での業務管理や教育不足が深く関わっています。特に、社労士としては、労務管理や医療機関におけるコンプライアンスの徹底が重要です。医療現場では医師や事務職員との連携が欠かせないため、適切な研修体制の整備や労務管理に関する指導が必要です。医療機関に従事するスタッフ全体が、制度の理解を深め、誤りや不正が発生しない環境を整えることが求められます。

一方、薬剤師としても、適切な医療サービスを提供するためには、診療報酬や保険適用に関する知識が欠かせません。薬局や医療機関においても、正確な保険請求手続きと適切な医療サービス提供の徹底が重要です。

まとめ

今回の三重県立総合医療センターでの診療報酬不正請求問題は、医療機関全体の制度理解や管理体制の欠如が背景にあります。医療現場で働く薬剤師や社労士は、制度の理解とコンプライアンスの強化を図ることが、医療の質の向上と患者への信頼回復に繋がります。今後も、医療機関における業務の適正化をサポートし、適切な労務管理と医療サービス提供のための知識を活かしていくことが求められます。

薬剤師・社会保険労務士・行政書士
石田 宗貴

投稿者プロフィール

HOLOS社労士&行政書士Labo
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