兵庫県西宮市で介護報酬の不正受給が発覚 医療法人社団むらまつ歯科の指定取り消し

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2024年10月18日、兵庫県西宮市は「医療法人社団むらまつ歯科」(村松弘康理事長)に対し、運営している居宅療養管理指導事業所および介護予防居宅療養管理指導事業所としての指定を11月1日付で取り消すと発表しました。この処分は、介護報酬の不正受給が発覚したことに基づくもので、介護業界全体にも影響を与える深刻な問題です。

居宅療養管理指導とは?

居宅療養管理指導は、通院が困難な要介護者や要支援者の自宅に歯科医師や歯科衛生士が訪問し、口腔ケアや歯磨きの方法を指導する介護保険サービスです。介護保険法では、歯科医師による訪問は月2回、歯科衛生士は月4回までと規定されており、訪問回数に応じて介護報酬が支払われます。

何が問題だったのか?

今回発覚した不正受給の内容は、2022年9月から2024年3月までの期間中、実際には歯科医師が訪問していないにもかかわらず、訪問したかのように装い、約9600件分の指導を偽装請求していたというものです。市の調査によると、歯科衛生士の訪問回数に合わせて、歯科医師も月2回訪問したと虚偽の報告を行い、介護報酬約3600万円を不正に受け取っていたことが明らかになりました。

市は、今回の不正に対し、不正受給額の40%を上乗せした計5100万円を11月20日までに返還するよう命じる方針です。

薬剤師や社労士として知っておくべきポイント

今回の事例は、介護サービス提供者が法令に基づいた適切なサービスを提供しているかどうかを見極める重要性を改めて示しています。薬剤師の方々は、訪問先での薬の管理や健康相談を行う際、他の介護サービスと連携する機会が多いため、信頼できる事業者との協力が不可欠です。特に、適切な医療行為やサービスの提供が行われているかを確認し、患者の安心を第一に考えることが大切です。

また、社労士としては、介護事業者が法令を遵守しているかの指導や相談、また、従業員の管理に関するアドバイスを行うことで、不正やトラブルを未然に防ぐ支援が期待されます。介護業界での不正が明るみに出ることは業界全体の信用を損なうリスクがありますので、事業運営の透明性を高めるために、適切な法令遵守のサポートが求められます。

まとめ

兵庫県西宮市で発覚した介護報酬の不正受給問題は、介護保険サービスの適正利用に対する意識を再認識させる出来事です。介護サービスの提供者として、法令遵守はもちろん、利用者に対して安心できるサービスを提供することが重要です。これからも医療や介護に関わる方々が、正しい知識と法令遵守の意識を持って業務に取り組むことで、地域社会全体の信頼を築いていけることを願っています。


HOLOS社労士&行政書士Labo
薬剤師・社会保険労務士・行政書士
石田宗貴

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