国立大学病院、2024年度に235億円の赤字見込み―地域医療の崩壊を危惧
https://news.yahoo.co.jp/articles/f7bbab0d3c63c834ebe8cb6cdfdf5febc5c0f0cd
国立大学病院長会議が発表した調査によると、全国42の国立大学病院の2024年度収支は全体で約235億円の赤字となる見込みです。特に、42病院中32病院が赤字になるとされています。2023年度の赤字額は約60億円でしたが、2024年度はさらに経営が悪化する見通しです。
赤字の主な要因は、医療費、光熱費、人件費の増加です。特に「医師の働き方改革」によって、残業代が適切に支払われるようになったことが、人件費の増加に影響を与えています。また、診療報酬改定による増収見込みが108億円である一方、国立大学病院では国家公務員の給与引き上げに伴い、人件費が343億円増加するとされています。
さらに、一部の病院では、少しでも収益を増やすために連休中の手術や営業を検討していますが、これでも利益は限定的な状況です。千葉大学病院の大鳥精司院長は「このままでは、地域医療や高度医療の提供に大きな影響が出る可能性があり、各県の医療体制が崩壊するかもしれない」と危機感を示しています。
医療機関と社労士の関わり
国立大学病院の経営難は、地域医療や高度医療を支えるための重要な課題です。薬剤師や社会保険労務士(社労士)の立場からも、この問題に関心を寄せるべきでしょう。例えば、働き方改革に伴う人件費の適正管理や、医療従事者の労働環境の改善に対するアドバイスが求められます。特に、病院やクリニックの経営を支援する社労士は、労務管理の最適化や残業時間の削減に向けた提案をすることで、医療機関の経営改善に貢献することができます。
国立大学病院の経営悪化は地域の医療崩壊に直結する可能性があり、今後の対応が急務です。医療機関の運営支援や、従業員の健康管理体制の整備に尽力することが、医療現場の持続可能な発展に繋がるでしょう。
薬剤師・社会保険労務士・行政書士
石田宗貴
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