女性の低体重・栄養不足による健康被害が増加 「疾患」として対策の可能性も
近年、若い女性の「やせすぎ」が社会的な健康問題として注目されています。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(2023年)によると、20~30代女性の約5人に1人がBMI18.5未満の低体重であることがわかりました。これに対し、日本肥満学会は「女性の低体重/低栄養症候群」という新たな疾患として位置づけ、治療や予防の体制を整えるべきだと提言しています。
低体重や栄養不足は、貧血や月経異常、筋力低下、骨密度減少などの健康障害を引き起こします。特に日本は先進国の中でも若い女性の低体重割合が高いとされ、SNSを通じて「痩せ=美しさ」という価値観が広がることが背景にあります。
さらに、糖尿病治療薬の「GLP-1受容体作動薬」をダイエット目的で使用し、体調不良を訴える若い女性が増えています。副作用には吐き気や頭痛、重篤な場合はすい炎などもあり、専門医は適切な用途以外での使用を強く戒めています。実際に、BMIが低い20代女性が薬の副作用に苦しみ、命の危険すら感じたケースも報告されています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250603/k10014824761000.html
医療現場・労務管理の視点から
医療機関やクリニック、薬局で働くスタッフが患者さん一人ひとりの健康状態を的確に把握し、適切な対応をすることが何より重要です。また、医療スタッフ自身が心身ともに健康に働ける環境づくりも欠かせません。宮城県や仙台の医療機関でも、処遇改善加算やベースアップ評価料などの制度を活用し、スタッフの労務管理と働きやすさ向上に取り組む動きが広がっています。
こうした環境整備が進むことで、過度な痩せ願望や栄養不足の問題にもしっかり時間をかけて向き合える体制が整い、結果的に患者さんの健康支援につながるのです。
HOLOS社労士&行政書士Laboの取り組み
医療・介護業界に精通した社労士・薬剤師の視点から、HOLOS社労士&行政書士Laboは医療機関や薬局、介護施設の労務管理や働き方改善をサポートしています。スタッフが安心して働ける環境づくりは、医療の質向上と患者さんの安全・健康維持に直結します。
低体重や栄養不足といった女性の健康問題も、医療現場全体で理解を深め、適切な対応を進めることが大切です。私たちは、地域の医療機関の労務管理支援を通じて、医療スタッフと患者さんの両方を支える取り組みを続けてまいります。
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