小林製薬「紅麹サプリ」問題にみる、
医療現場に求められる“信頼”のつくり方
こんにちは。
HOLOS(ホロス)社労士&行政書士Laboです。
医療・薬局・介護の支援を行う立場から、今回は小林製薬の紅麹サプリ問題を通じて、信頼の再構築と組織改革のヒントをお届けします。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250604/k10014824471000.html
■ 製品リスクが企業全体の信頼を揺るがす
2024年に発覚した、小林製薬の紅麹サプリメントに関連する健康被害。
腎疾患などの重大な副作用が報告され、大きな社会的関心を集めました。
新社長・豊田賀一氏は、50人規模の対応チームを設置し、「最後まで誠実に補償する」という姿勢を示しています。
また、企業体質の見直しにも着手し、今年11月をめどに新たな行動規範を策定予定です。
■ 医療・薬局の現場も“他人事”ではない
製薬会社の問題に見えるかもしれませんが、医療機関・薬局・介護施設にとっても、これは他人事ではありません。
- 医薬品・サプリメントの取り扱い
- 職員への情報共有とリスク対応
- 利用者や患者様との信頼関係の構築
こうした視点は、日常の業務の中で常に求められる課題です。
■ 薬剤師・社労士としての視点──
信頼は“制度”と“現場”の橋渡しから
薬剤師として、私自身もOTC製品やサプリメントの販売に関わってきました。
そのなかで、「これは安心して使える」と自信を持ってすすめられるかどうかは、製品の品質だけでなく、組織としての姿勢や管理体制が整っているかにかかっています。
一方、社労士として現場を見ていると、
事故やクレームの背景には、
- 情報共有の不足
- 縦割り体制のまま放置された業務フロー
- 声を上げにくい職場環境
といった、“人と組織”の問題が必ず絡んでいると実感します。
特に医療・薬局・介護の現場では、働く人の判断が患者の安全に直結することも少なくありません。
だからこそ、リスクを共有できる体制、そして「おかしい」と言える風土が必要です。
■ 処遇改善加算・ベースアップ評価料も“信頼づくり”のツールに
たとえば、
- 処遇改善加算でスタッフの不満を減らす
- ベースアップ評価料を活用し、やりがいのある働き方を支援する
といった取り組みも、単なる「収入増」ではなく、“働きやすさ”を通じた信頼づくりの一部になります。
制度を“点”で使うのではなく、「人が定着しやすい職場」=リスクを抑えやすい職場として活用することが、長い目で見て現場と利用者の両方を守ることにつながるのです。
最後に──“商品”だけでなく“現場”から信頼をつくる
小林製薬のケースは、信頼が崩れるスピードの速さと、回復のための誠実な対応の重要性を私たちに教えてくれます。
医療・薬局・介護の現場も同様に、信頼は日々の業務の積み重ねの中でしか築けません。
現場の声に耳を傾け、制度を正しく活かし、“人が安心して働き、患者様が安心して通える環境”をともにつくっていきましょう。
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