新たな高齢社会対策大綱が閣議決定:後期高齢者の医療費負担拡大を検討
75歳以上、「医療費3割」拡大検討=高齢社会対策大綱を決定―政府|最新医療ニュース|時事メディカル|時事通信の医療ニュースサイト (jiji.com)
政府は9月13日、新たな高齢社会対策大綱を閣議決定しました。今回の大綱では、75歳以上の後期高齢者の医療費負担について、現在の1割負担から一部の高所得者に適用されている3割負担の対象範囲を拡大する方針が示されました。これは、年齢に関わらず、所得に応じて制度を支え合うという考えに基づいたものです。具体的な検討は2028年度までに行われる予定です。
また、1人暮らしの高齢者が増加する見込みであるため、孤立や望まない孤独を防ぐ対策も盛り込まれています。具体的には、居場所づくりや身寄りのない高齢者への支援を充実させることが重要視されています。さらに、身元保証などのサービスを提供する事業者とのトラブル防止策として、適正な事業運営を促進することも検討されています。
大綱の背景と影響
現在、75歳以上の医療費負担は、原則1割、一定の所得があれば2割、そして現役並みの所得がある場合は3割となっています。今回の大綱では、この3割負担の対象範囲を広げることを検討しており、社会保障改革の一環として2028年度までに具体的な見直しを行う予定です。
また、高齢化が進む中で、1人暮らしの高齢者が増えると予想されており、孤立や孤独を防ぐための新たな施策が不可欠です。これに伴い、安心して生活できる社会の実現を目指し、身寄りのない高齢者への支援強化が求められています。
薬剤師・社労士としての視点
薬剤師として、医療費の負担が高齢者にとって大きな負担となる可能性があります。特に、3割負担の対象が広がることで、受診控えが増え、結果として健康状態が悪化する懸念があります。適切な医療へのアクセスを確保するためにも、薬剤師としては患者さんへの適切なサポートやアドバイスがますます重要になってくるでしょう。
一方、社労士としては、高齢者が安心して老後を迎えるための社会保障制度の見直しが重要です。今回の大綱で示された医療費負担の見直しは、現行制度の持続可能性を高める一方で、負担が増える可能性のある高齢者への支援策をどのように拡充していくかが課題です。労働市場においても、高齢者の就労支援や在職老齢年金制度の改善が検討されることから、今後の制度改革に注目が必要です。
今回の高齢社会対策大綱は、医療費や高齢者支援の在り方を見直す契機となるものです。薬剤師・社労士としては、制度変更が利用者や患者に与える影響を注視し、適切なサポートを提供することが求められます。
薬剤師・社会保険労務士・行政書士
石田宗貴
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