着床前診断の対象が拡大、目のがん「網膜芽細胞腫」も初承認

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240828/k10014562671000.html

2024年8月28日に公表された最新の情報によると、遺伝性の重い病気を持つ受精卵を調べる「着床前診断」の対象がさらに拡大し、目のがんである「網膜芽細胞腫」が初めて承認されました。これは、日本産科婦人科学会が実施する審査において、新たに承認された重要な進展です。

1. 着床前診断とは?

着床前診断は、体外受精によって得られた受精卵の遺伝子を調べ、遺伝性の重い病気がないかを確認する医療技術です。これにより、将来の子どもが特定の遺伝性疾患を持つリスクを減少させることができます。

2. 対象拡大の背景

従来、着床前診断の対象は「成人までに命を脅かす病気」に限られていました。しかし、2年前から対象が拡大され、成人後に発症する病気や、生活に重大な影響を与えるが命には直接関わらない病気も審査の対象となりました。

3. 網膜芽細胞腫の承認

2023年に行われた72例の審査のうち、58例が承認されました。この中には、失明のリスクがある「網膜芽細胞腫」も含まれており、これは着床前診断の対象として初めて承認されたケースです。

4. 当事者の声と専門家の見解

大阪市の野口麻衣子さんは、6年前から網膜芽細胞腫の着床前診断を希望していましたが、当時は対象外でした。しかし、今回の対象拡大により、再申請が認められました。彼女は「制度が1歩前進した」と前向きなコメントを寄せています。

一方で、生命倫理に詳しい専門家からは、「着床前診断が広がることで、特定の病気を持つ人々が社会で受け入れられなくなる可能性がある」との懸念も示されています。そのため、家族が選択肢を持てるような治療やサポート環境の整備が求められています。

5. 結論と今後の展望

今回の着床前診断の対象拡大は、多くの家族にとって重要な進展です。しかし、同時に社会全体がどのように病気や障害と向き合っていくかを考える必要があります。着床前診断を通じて、希望する家族がよりよい選択肢を持てる社会の実現が期待されています。

このように、着床前診断の進展がもたらす新たな選択肢や課題について、引き続き議論を深めていくことが重要です。

宮城県・仙台市の社労士・行政書士 HOLOS社労士&行政書士Laboでは今後もお役に立てる情報や「豆知識」を投稿してまいります。

薬剤師・社会保険労務士・行政書士
石田宗貴

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