医師の偏在問題に本格的な対策—厚生労働省が推進本部を設置

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240905/k10014573091000.html

厚生労働省は、特定地域や診療科に医師が集中し、地方病院で医師不足が深刻化している「医師の偏在」問題に対処するため、推進本部を設置し、本格的な議論を開始しました。

医師の偏在がもたらす課題

都市部や特定の診療科に医師が集まり、地方や産科、小児科などで医師不足が起こる現象は、医療現場にとって大きな問題です。急速に進む人口減少や医師の高齢化を背景に、この「医師の偏在」問題は待ったなしの課題となっています。これに対し、厚生労働省は医師の新規開業を抑制する方針や、医療機関への財政支援の強化、地域医療への医師配置義務を含む「地域枠」の拡大を検討しています。

医師偏在指標とは?

厚生労働省は、医師が都市部や特定の地域に偏在している状況を可視化するために「医師偏在指標」を公表しています。この指標は、医療の需要や患者の流動性、医師の年齢や性別といった要素を元に算出され、都道府県ごとに比較されています。特に東日本に「医師少数県」が多いことがデータから明らかになっています。

今後の見通し

厚生労働省は専門家の意見も取り入れつつ、年末までに具体的な対策をまとめる予定です。医師不足が深刻な地域への財政支援や、卒業後の一定期間、特定の地域での勤務を義務化する制度などが期待されます。

コメント—薬剤師・社労士としての視点

薬剤師や医療従事者として、医師の偏在問題は地方の医療体制に直接影響を与える重要な課題です。特に地方では、医師不足が医療全体の質や安全性に影響を与え、薬剤師や看護師といった他の医療従事者にも負担がかかることがあります。偏在解消に向けた厚生労働省の取り組みは、地域医療の充実に寄与するもので、医療全体の効率化にもつながると考えられます。

また、社会保険労務士として、医療従事者の働き方改革や労働環境の改善にも関心があります。地方で働く医師や医療従事者が、適切な労働条件のもとで仕事に専念できるよう、法的なサポートや労働時間の見直しが必要です。医師不足は現場の負担を増大させるため、全体の労働環境改善を考慮した政策が求められるでしょう。


薬剤師・社会保険労務士・行政書士
石田宗貴

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HOLOS社労士&行政書士Labo
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