20年の薬剤師キャリアから社労士・行政書士へのジョブチェンジ――その理由と背景

私は20年以上にわたり薬剤師として地域に貢献してきました。患者さん一人ひとりの健康を支え、薬局を経営していく中で多くのやりがいを感じていました。しかし、ある出来事が私の人生に大きな転機をもたらすことになったのです。

門前のクリニック閉院という予期せぬ事態

私が経営していた調剤薬局の門前クリニックが突然閉院することが決まりました。これにより、薬局の経営を続けることが難しくなり、これまで当たり前のように続けてきた仕事に終止符を打たざるを得ない状況に陥りました。当然に薬剤師として転職という選択肢を考えましたが、ふと、かねてから心を惹かれていた「社労士・行政書士事務所の開業に挑戦ができるのではないか?」という思いが湧いてきました。

とはいえ、二人の小さな子供を抱え、家族を支える立場として、安定した薬剤師の仕事を辞めること(正確に言うと当初薬剤師との兼業を考えていました)には大きな不安がありました。当然、妻も反対するだろうと考えていました。薬剤師の仕事は安定していて、収入も見込める職業です。私自身、薬剤師としてのスキルや経験に多少の自信がありましたし、家族も薬剤師としての私を誇りに思ってくれていました。そんな職を辞めることを理解してもらえるとは想像できるわけがありません。しかし、どうしても社労士・行政書士に挑戦がしたいという思いが強く、私は勇気を持って妻に相談することにしました。

妻の支えが背中を押してくれた

思い切って妻に話したところ、意外にも彼女は私の気持ちを理解し、応援してくれました。「パパがやりたいことなら、家族みんなで支えていこう」と言ってくれたのです。妻のこの言葉が、私にとってどれほど大きな後押しとなったかは言葉に尽くせません。この応援があったからこそ、私は社労士・行政書士への転身を決意することができました。
(ちなみに会社自体は存続しています)

薬剤師としての経験を活かした新たな挑戦

私が選んだ社労士と行政書士という道は、まったく薬剤師とは違う分野に見えるかもしれません。しかし、企業の健康経営を支える社労士としての役割は、薬剤師時代に培った健康に関する知識や経験を大いに活かせる分野です。企業が従業員の健康を守り、働きやすい環境を整えることは、仕事のパフォーマンス向上にも繋がります。また、ハラスメントなどの問題でメンタルヘルスを病む従業員のサポートにも、これまでの知識を応用できると感じています。

さらに、行政書士としては、特に外国人労働者の入管業務に注力しています。日本に来たばかりで慣れない生活や仕事に直面している外国人労働者の方々は、ストレスや健康上の問題に悩むことも少なくありません。彼らが安心して日本で働き、生活できるよう、健康面でのアドバイスを交えながらサポートすることで、より幅広い支援ができると確信しています。

また、薬剤師としての経験や知識は厚生労働省の委託事業である『医療労務管理支援センター』の仕事にも大いに役立っています。
医療機関の人事・労務のお悩み相談やサポートをするお仕事ですから、同じ医療関係者として現場の温度感として理解できることがたくさんあります。
専門用語・専門職の仕事内容・診療報酬等、共通言語が多いのも強みです。

家族と共に歩む新たなキャリア

私が薬剤師から社労士・行政書士に転身するという決断は、決して簡単なものではありませんでした。しかし、薬剤師としての20年の経験を、別の形で社会に活かせるという確信がありました。そして何より、妻の支えがあったことで、安心して新しい挑戦に踏み出すことができました。

これからは、薬剤師としての健康知識と社労士・行政書士としての人事・労務・法律の知識を組み合わせ、『三位一体』で企業の健康経営や従業員の福祉向上をサポートしていきます。また、外国人労働者が日本で安心して働けるよう、入管業務を通じて幅広いサポートを提供したいと考えています。もし、企業の健康経営や外国人労働者の支援に関するお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。皆さまの健やかな生活と職場環境の向上に、少しでもお力になれればと思います。

薬剤師・社会保険労務士・行政書士
石田 宗貴

投稿者プロフィール

HOLOS社労士&行政書士Labo
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