台風シーズンに喘息悪化?気圧や湿度、雷雨との関係

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台風や熱帯低気圧の季節が到来し、天気が不安定な日々が続いています。特に、喘息を抱えるお子さんがいる家庭や医療機関では、この時期に症状が悪化することが少なくありません。実際に、台風や低気圧が喘息に与える影響はあるのでしょうか?今回は、台風や気圧、湿度の変化が喘息に与える影響についてわかりやすく解説します。

台風による気圧変化は喘息症状を悪化させるのか?

台風が近づくと「気圧が下がるから喘息がひどくなるのでは?」という声をよく耳にしますが、実際には一概にそうとは言い切れないようです。中国・北京の研究では、気圧の低下が喘息入院患者の増加に関連していると報告されていますが、逆に日本の研究では気圧が高いと喘息症状が悪化するという結果が出ています。さらには、気圧が喘息悪化に関係ないという報告もあり、結論はまだ出ていないのが現状です。

湿度が喘息に与える影響

一方、気圧以上に喘息に影響を与えるのが湿度です。湿度が高いと喘息症状が悪化するリスクが高まり、逆に湿度が低い場合も冷たい乾燥した空気が気道を刺激し、症状を引き起こします。特に台風は湿気を含んだ空気を運び込むため、湿度の変化が喘息を悪化させる要因となります。例えば、湿度が高いとアレルゲンであるカビやダニの繁殖が促進され、それが喘息症状の引き金になることもわかっています。

雷雨喘息—台風が引き起こす喘息発作

台風や低気圧に伴う雷雨も、喘息症状に影響を与える可能性があります。雷雨喘息と呼ばれる現象は、雷雨後に発作が悪化するケースで、特に花粉の季節に起こりやすいとされています。雷雨によって空中に舞う花粉が細かく分解され、下気道に吸い込まれることで喘息が悪化するというメカニズムが考えられています。オーストラリアのメルボルンでは、雷雨後に3400人もの人々が呼吸器症状で外来を受診したという報告もあり、台風シーズンにこの現象が起こる可能性も否定できません。

異常気象と喘息の関係—医療機関や職場での対応

このように、台風や低気圧による気圧や湿度の変化、雷雨などの気象条件が喘息に影響を与えることが示唆されています。台風の季節は、特に子どもや女性の喘息リスクが高まるとされています。異常気象が続く中で、医療機関や職場では健康管理がますます重要になります。

薬剤師や社労士の立場からのコメント

薬剤師として、喘息患者に対するアドバイスは重要です。特に天候が不安定な時期には、患者が定期的な治療をしっかり続けているかを確認し、吸入薬などの使い方や注意点を再度説明する機会を設けることが効果的です。また、湿度管理の重要性も伝え、家庭でのカビやダニ対策を提案することも役立ちます。

社労士としても、異常気象による体調不良が職場に与える影響は見逃せません。特に喘息患者が働く環境では、気象変化による健康リスクを考慮した労務管理が求められます。例えば、台風シーズンには室内の湿度管理や、喘息患者の特別な配慮を行うなどの対策を講じることで、職場全体の健康を守ることができます。


天気が不安定なこの季節、今一度自身や家族の健康管理を見直し、喘息を悪化させないための対策をしっかりと講じましょう。


薬剤師・社会保険労務士・行政書士
石田宗貴

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HOLOS社労士&行政書士Labo
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