「医師多数県」の実情を無視しない対策を──医師の偏在と地方医療の危機
2024年10月10日、鳥取県や徳島県、沖縄県など「医師多数県」とされる地域の知事らが、厚生労働省を訪れ、福岡大臣に実情にあった医師確保策を求める要望書を提出しました。
現在、国は医師の偏在を是正するために「医師偏在指数」を用いて、全国の医師数を数値化し、医師の多い「多数県」と医師不足の「少数県」に分類しています。しかし、知事らは、「多数県」とされる地域内でも医師の高齢化や流出が進行していることを指摘。特に中山間地域など、医療提供が難しくなっている地域の実態を考慮した対策を求めています。
知事らは、今後の政策にあたって、医師不足の深刻な地域への対応や、医師の働き方改革を考慮し、医療機関が必要とする医師数の再検証を行うよう要望。現場の声を反映し、地域の実情に応じた施策が必要であると強調しています。
医療機関を支えるために必要な視点
地方の医療現場での医師不足や労働環境の課題は、医師の努力だけで解決できるものではありません。特に医療機関の働き方改革や人材確保、適切な労務管理を進めるためには、社労士の専門的な支援が欠かせません。また、薬剤師も医師と連携し、地域医療を支える重要な役割を果たしています。
労務管理や職場環境の改善を通じて医療従事者の負担を軽減することは、医療の質を向上させ、地域住民にとってより良い医療サービスを提供するための重要なステップです。医療機関が健全な運営を続けるために、一丸となり、持続可能な医療システムを構築していくことが求められています。
薬剤師・社会保険労務士・行政書士
石田宗貴
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