【カルディ生ハム自主回収】約7万個対象に|見直されるべき食品衛生と危機管理対応

輸入食品などを扱うカルディコーヒーファームで販売されていた「オリジナル 生ハム切り落とし」の一部から、サルモネラ属菌が検出されたとして、全国で販売された約7万個の商品が自主回収の対象となっています。

消費者庁の発表は2025年5月8日。対象商品は4月11日〜5月6日までに販売されており、すでに多くの消費者の手に渡っていると見られます。全国の店舗では返金・問い合わせ対応が進められています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250508/k10014800051000.html


■「サルモネラ菌」とは? 食品衛生上の重大リスク

サルモネラ属菌は、人や動物の腸管内に存在する細菌で、感染すると発熱・腹痛・下痢・嘔吐などの食中毒症状を引き起こします。

日本国内では生卵による食中毒事例が多く知られていますが、今回は加熱せずにそのまま食べる生ハムが原因。
生ハムは加熱工程を経ないため、製造・加工・流通過程における衛生管理の精度が、直接リスクに直結します。

なお、サルモネラ菌は75℃で1分以上の加熱で死滅するとされ、通常の調理であればリスクを避けられますが、非加熱食品では特に注意が必要です。


■企業が学ぶべき衛生管理とリスク対応

飲食業・食品販売業はもちろん、医療機関や福祉施設など、食品を扱うすべての現場にとって、今回の件は他人事ではありません。

◎ロット管理・トレーサビリティ体制の徹底

→「どの製品を・いつ・どこに出荷したか」が即座にわかる記録と体制が必要です。

◎衛生管理責任者と従業員の教育体制整備

→ 正しい知識があって初めて、現場の気付きや異変の早期発見につながります。

◎SNS時代における顧客対応マニュアルの見直し

→ 自主回収時の発信、現場対応、風評被害防止の行動指針を明文化しておくこと。


■社労士の視点から見たリスク管理

食品衛生上の問題が発生した場合、現場の対応は混乱しやすく、人員配置や労働環境に大きな影響を及ぼします。

  • 回収・謝罪・対応業務が集中する中での労働時間・シフト管理の適正化
  • クレーム応対などを担う従業員のメンタルヘルス支援
  • 健康被害リスクに関する情報提供体制や、外部専門機関へのエスカレーション体制の整備

これらは、社労士が企業リスクに対応するうえで重要なポイントとなります。


■HOLOS社労士&行政書士Laboがご支援できること

私たちHOLOSは、仙台・宮城県を中心に、医療・薬局・食品関連事業者の皆さまに対し、
以下のようなリスク管理体制づくりを支援しています。

  • 衛生・労務両面からの危機対応マニュアルの作成支援
  • 食品取扱業務に必要な研修・教育体制の設計と運用
  • トラブル発生時の内部対応フローと従業員サポートの構築

“備えあれば憂いなし”の視点から、日常業務の延長で危機に強い職場を整えるお手伝いをします。

▶ ご相談・お問い合わせは  https://holos-labo.com/contact/ よりお気軽にどうぞ。

HOLOS社労士&行政書士Labo
薬剤師・社労士・行政書士
石田 宗貴

投稿者プロフィール

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