【コンビニで薬が買える!?オーバードーズ対策は機能するのか?】改正薬機法を薬剤師・社労士の視点から読み解く
2025年5月14日、「改正医薬品医療機器法(薬機法)」が参議院本会議で可決・成立しました。
今回の改正では、市販薬の販売ルールに大きな変更が加えられると同時に、若者を中心とした「オーバードーズ(OD)」の対策も盛り込まれています。
ただ、現場を知る立場から言うと、今回の規制強化がどれだけ実効性を持つのか――懐疑的な気持ちも拭いきれません。
この記事では、仙台・宮城を拠点に活動する社労士・薬剤師の立場から、改正薬機法の内容を掘り下げ、現場目線でコメントしていきたいと思います。
■ ポイント① 市販薬がコンビニで買えるように
まず注目されているのは、市販薬を薬剤師不在の店舗でも販売できるようにする制度。
対象はコンビニやドラッグストアの無人レジなどで、オンラインで薬剤師等の説明を受けることを条件に販売が認められる形です。
たしかに、急な体調不良や夜間のニーズを考えると、利便性の向上という面では歓迎される動きです。
ただ一方で、対面販売で培ってきた「患者さんの表情や声色から異変を察知する」といった薬剤師の専門性が発揮されにくくなるリスクも。
現場では、**「あの人、ちょっといつもと違う」**という“違和感”の積み重ねが、深刻な事態の予防に繋がることも多いのです。
■ ポイント② オーバードーズ対策、現場で機能するのか?
今回の法改正では、オーバードーズ対策として以下のような規制が導入されます。
乱用のおそれのある薬の販売時、氏名・年齢・購入理由の確認を義務化 20歳未満には大容量製品や複数購入を禁止 薬剤師等によるチェック体制の強化
こうしたルール化自体は「やらないよりマシ」かもしれません。
しかし、**本当にOD目的の購入者を見抜けるのか?**という点については、疑問が残ります。
実際、購入者は理由を取り繕うことができてしまいますし、偽名や他人の代わりに購入するケースもあるため、表面だけの規制ではすり抜けられる危険性が高いのです。
薬剤師として感じるのは、「販売現場だけに責任を負わせすぎではないか?」ということ。
根本的には、医療機関・学校・職場を含めた包括的なメンタルヘルス支援が必要であり、制度としてそこに踏み込まなければ、本質的な解決には至らないでしょう。
■ ポイント③ 薬不足への対応も法整備
もう一つの改正点として注目されるのが、薬の安定供給に関する国の関与強化です。
国が供給不足時に、事業者へ増産要請できる仕組みを整備 電子処方箋で全国的な需給状況を可視化
この点については、仙台・宮城の病院・クリニック・薬局からも期待の声が上がっています。
とくにここ数年、処方薬の流通不安定が医療現場に大きな負担を与えていることを考えると、一定の効果が見込まれるでしょう。
ただしこちらも、「要請」にどれほどの実効性があるのか――今後の運用が注目されます。
■ 医療・薬局・介護の現場を支えるには
法改正によって制度が整備されるのは歓迎すべきことです。
しかし、その制度が**「現場で本当に機能するかどうか」はまた別の問題**です。
私たちHOLOS(ホロス)社労士&行政書士Laboでは、
薬剤師・社労士の資格を活かし、医療機関・薬局・介護事業所向けに制度導入や体制整備を支援しています。
たとえば、
ベースアップ評価料の対応 処遇改善加算の適正な運用 職場のメンタルヘルスと労務リスク管理
など、「現場に即した支援」を心がけています。
仙台・宮城の医療・薬局・介護の現場を、制度で支える。
そんな地域密着型のサポートをお探しの方は、ぜひHOLOS(ホロス)社労士&行政書士Laboにご相談ください。
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