🩸 血液型と性格って関係あるの?
〜薬剤師・社労士の視点から“ちょっと待った”をかける話題〜
「A型は几帳面」「B型はマイペース」「O型はおおらか」「AB型は二面性がある」…。
こんな血液型による性格診断、日常会話でもよく耳にしますよね。
ちょっとした会話のきっかけになったり、盛り上がることも多い一方で、
「それって本当に正しいの?」と立ち止まって考えることも時には大切です。
■ 科学的にみると、根拠は「ほぼなし」
薬剤師として、医学・薬学の情報を扱う立場から見ると、
「血液型で性格が決まる」というのは実は非常に根拠の薄い話なんです。
日本国内外の信頼性の高い大規模研究では、
**「血液型と性格に明確な相関はない」**という結果が大多数(と言うかほとんど)を占めています。
また、医療従事者の中には、こうした“エビデンスのない情報”に敏感な人も多く、
血液型性格診断を信じない方が多いのもそのためです。
■ なぜ信じられているの?
血液型と性格の関係性が日本で広がった背景には、以下のような理由があります。
文化的背景:1970年代に出版された書籍が火付け役に
バーナム効果:誰にでも当てはまるような曖昧な特徴を「自分に当てはまる」と思い込んでしまう
メディアの影響:TV・雑誌・SNSで繰り返し目にするうちに“当たり前”になる
特に日本・韓国・台湾など東アジアではこの文化が根付いていますが、
海外ではほとんど見られません。
欧米では「血液型で性格を決めるなんてナンセンス!」と驚かれることも。
そもそも特定の血液型の人しかいない国(例えばO型の人しかいないとか)もあったりして日本のようにA、B、O、ABの血液型の方がそれなりの割合で存在する国ばかりではないのです。
この国はみんな同じ血液型だからみんな似たような性格だよね!ってやっぱりおかしいですよね(笑)そんな事言ったら怒られちゃいます(汗)
■ 「血液型で判断」はハラスメントになる可能性も
ここで、社労士の立場から大切なお話をひとつ。
「B型だからマイペース」「A型なのに雑だね」
――こうした言葉、悪気がなくても受け取った側が嫌な気持ちになることもあります。
近年では「ブラッドタイプハラスメント(血液型ハラスメント)」という言葉も一部で使われており、
血液型による決めつけや評価が職場のハラスメントに発展するリスクも指摘されています。
もちろん、ちょっとした雑談やお互いが楽しめる場での話題なら問題ありません。
でも、職場や人間関係の中で、
「○型だから○○」というレッテル貼りは、無意識の差別や評価の偏りにつながることもあるのです。
■ 話題にするなら「楽しく」「配慮をもって」
血液型の話題そのものが悪いわけではありません。
ちょっとした話のネタとして、みんなが笑顔で楽しめるならそれはそれで素敵なコミュニケーション。
ただし、
**「その人の性格や能力を血液型で判断しない」「傷つけるような言い方をしない」**ことが大切です。
特に職場や学校などでは、配慮ある対話を心がけたいですね。
💡 医療・福祉の現場でも、正しい情報と健全な人間関係づくりを
HOLOS(ホロス)社労士&行政書士Laboでは、薬剤師・社労士の視点から、
エビデンスに基づいた職場づくり・人事労務支援を行っています。
仙台・宮城県の医療機関、病院、クリニック、介護事業所の皆さまへ。
職場のコミュニケーションやハラスメント防止対策、処遇改善加算やベースアップ評価料への対応も含め、どうぞお気軽にご相談ください。
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